平成22年
2月 定例会 本会議

3月1日

県から市町村への権限移譲と県の地域機関の在り方

県から市町村への権限移譲を更に進め、県の地域機関については集約しスリム化をすべきだと思うが、地域主権のあるべき姿から見て、県から市町村への権限移譲と県の地域機関の在り方はどうあるべきか、また今後どう進めていくのか?

これまでの取組の結果、市町村への移譲事務が法令の条項数で約1750、具体的な事務の単位でも133になり、全国的にもトップレベルに位置しています。今後も、地域主権戦略会議での議論も踏まえて、新たな方針の策定をしてまいります。今後とも市町村が切磋琢磨し、個性豊かな地域づくりを展開できるように、市町村が担う権限の移譲を更に進めてまいります。地域機関については、地域主権改革の進展を踏まえ、地域機関の集約化を更に進めながら、一方では、真に役に立つ機関になるように引き続き見直しを行ってまいります。

自助、共助、公助が補完し合う地域防災力の向上について

すべての災害対策関係の機能が集約一元化された県防災センターとして、平成16年に私が提案した「危機管理防災センターが明年、オープンします。さらに地域防災力の向上のために、自助、共助、公助が補完し合う防災力の強化が必要です。本県の取り組みは如何?

自助、共助、公助の地域防災力の向上が極めて重要だという御意見は正に同感です。今後は、防火防災指導者人材バンクを設立し、消防職員や消防団OBの講師派遣や地域レベルの図上訓練を実施など、自助、共助、公助の連携により地域防災力を向上させることで、誰もが安心して暮らせる安心・安全の埼玉を実現してまいりたい。

独自の養成研修による介護の地域力推進について

急速に高齢化が進んでいく中で、地域福祉と家族介護の質の向上を図るため、地域介護の担い手づくりについて積極的に取り組むべきです。地域の助け合いの理念に基づいて、本県でも独自の養成研修の実施を検討してはいかがでしょうか?

御提案の本県独自の養成研修につきましては、支え合いの担い手を育成する上で大変有効であると考えますので、市町村とも連携しながら地域介護の担い手づくりの研修を検討する。

救急医療情報キットの普及を図るための県の取組について

ひとり暮らしの高齢者ひいては、県民全体の命と健康を守る観点から、救急隊が迅速で適切な救命措置ができるように、かかりつけ医、緊急連絡先、持病、診察券、健康保険証のコピーなどの情報を入れた専用キット家庭で保管する「救急医療情報キットの普及について、県としてどう取り組んでいくか?

救急医療情報キットは、急病時や災害時などに救命や傷害の軽減に役立つものと期待されています。県としては、それぞれの分野を担当する庁内の各部局で情報を共有し、各市町村が救急医療情報キットを導入する目的、趣旨に応じて取り組めるよう情報提供などの支援に努めます。

テレショップの活用による県内中小企業の販路開拓支援について

県内中小企業の販路開拓の支援策を考える上で、今テレショップやインターネット通販サイトなどが地場産業の新たな販路として注目を浴びています。今後利用内容を検討し、県として新たな販路開拓のためにテレショップの活用や現在の県の通販サイトの拡充を検討してみては?

テレショップの活用については、商品をバイヤーが仕入れて販売することから、個々の店舗の商品がバイヤーの目にかなうかがポイント。県としては、バイヤーとの関係で県産品の取扱いにどのように関与できるか検討していく。さらに、埼玉県中小企業応援キャラバン隊の予算の拡充、埼玉オンラインアンテナショップの陳列商品の拡充を行っていく。

県内における中小企業の経営革新促進策について

世界的に進行する大規模な産業構造転換の中、埼玉県内における中小企業新事業活動促進法による経営革新計画承認企業数が千五百社を超えたものの、全国順位では八位にとどまっている。計画承認後のフォローアップの在り方と、経営革新を増やす方策について見解をもとめる。

県では、経営革新計画承認後に支援施策の利用状況、計画の進み具合についての全数調査を実施。この調査に基づき、希望する企業に無料で専門アドバイザーを派遣。特に今年度は、厳しい不況の中で中小企業の新たな取引獲得を支援するため、専門家派遣の規模を従来の四倍に増やし、要請のあった企業すべてに対応している。さらにチャレンジ経営宣言を行う企業の登録制度を創設し、技術支援、産学連携、融資、経営支援など、企業ごとのニーズに合わせたオーダーメイドの支援する。

就職未内定の学生や生徒に対する支援策について

新規学卒者を取り巻く厳しい状況を踏まえ、ヤングキャリアセンター埼玉と大学や高校との連携を更に図り、卒業を間近に控え就職が決まらない学生や生徒に対し、これまで以上に手厚い支援を行う必要がある。そこで、県は就職未内定の学生や生徒に対する支援を今後どのように進めていくのか?

ヤングキャリアセンター埼玉を中心に、埼玉労働局、大学や高校と連携を密にし、就職支援を強化したい。大学生については、就活講演会、5日間集中セミナー、合同企業説明会を実施するなど企業とのマッチングを強化します。また、高校生に対しては、埼玉労働局と共同で企業説明会や就職面接会を開催し、各学校と連携して支援を行います。

中高年の就職支援について

厳しい経済状況、雇用情勢の中で苦しむ中高年の就職を支援するために、団塊世代の退職期に限定し設置した団塊世代活動支援センターを、キャリアカウンセリングからマッチングまでワンストップで行う機能にまで充実させ、中高年の就職支援を更に後押する必要があるのではないか?

新たに中高年齢者就業支援事業に取り組みます。この事業は、リストラ等で離職を余儀なくされた中高年齢者の再就職活動を支援するもので、キャリアカウンセラーによるきめ細かな就職相談や実践的な就業支援セミナーを実施。また、企業との面接会や業界団体との交流会を開催し、相談からマッチングまでをワンストップで支援する短期人材養成講座を実施する。

障がい者の就職支援について

就職したい障がい者をフォローアップしながら、就職が決まるまで支援をし続けるため、障がい者の就職、転職サポートをする団体などと協力し障がい者雇用を進めるべきと考えるが、どうか?

障害者就労支援センター等連絡協議会を設置し、NPO法人をはじめ福祉や教育機関とも連携して、障がいのある方の就職支援に取り組んでます。今後とも企業の理解を深めるとともに、様々な地域の団体とも連携して、一人でも多くの障がいのある方の就職支援に努めていく。

暴力団対策のための県条例の制定について

安心・安全の埼玉を目指し、県民総ぐるみの暴力排除運動のうねりを起こす必要があります。本県においても、県民が一丸となって暴力と立ち向かう意思を明確にする意味で、埼玉の現状に合った未来性のある暴力排除に向けた県条例が必要だと考えますが、当局の考えを問う。

県民の理解と協力を得て、警察対暴力団にとどまらず、県民全員で暴力団と対峙し、社会全体から暴力団を排除する活動を推進する必要があります。このため、既に福岡県等の関係県に担当者を派遣するなど調査を進めてきたところですが、今後、暴力団の排除に関する県条例の制定に向け、検討を進めます。

埼玉県警察としての犯罪抑止対策について

県民が安全で安心して暮らせる埼玉を実現するために、犯罪の抑止対策を更に強化する上で、各地域の犯罪発生実態に即した個別の対策を推進することが必要。今後の県警察の犯罪抑止対策について所見をもとめる。

犯罪対策として、昨年4月に犯罪抑止対策室の体制を強化し、県下で発生するすべての犯罪の罪種、手口、時間、場所、傾向などを分析し、毎月県下全般及び署ごとの犯罪の傾向と対策を立案し、県全体の取組及び署ごとの取組を、データ分析に基づき対策の成果を検証しながら効果的に進めることといたしています。今後とも県、市町村、関係団体、民間団体等の御支援、御協力をいただきながら、一層の治安向上に努める。

少年の非行防止対策について

埼玉県で平成二十一年に刑法犯で検挙、補導された少年は四年ぶりに前年に比べて増加している。深刻な経済不況の影響や急激な環境の変化、モラルの低下等に問題があると言われているが、現状を踏まえ、県警察では、どのような非行防止対策を行っていくのか?

一つは検挙、補導活動です。昨年、万引き、自転車盗などの刑法犯を犯した少年7,150人を検挙、補導し、喫煙、深夜徘徊などの不良行為で少年70,632人を街頭補導しましたが、これらの検挙、補導活動を更に進めます。二つは、店舗に対する管理者対策の強化。万引き防止店舗に対する防犯対策の強化を埼玉県販売防犯連絡協議会等を通じて強力に推進します。三つは、教育局と連携して、万引き防止等を内容とした親子参加型の非行防止教室を小中学校において開催し、規範意識の醸成に努めます。

校庭や園庭の芝生化の更なる推進について

埼玉の子供たちを芝生化で元気にという趣旨で、昨年、学校の芝生化の推進を提案しました。今年度、国の地域活性化・経済危機対策交付金を活用し、その結果、一部の私立の幼稚園、保育所の園庭の芝生化が実現したが、今後、さらに園庭の芝生化を更に進めるためには、補助対象面積の基準を下げる必要がある。この事業の成果、今後の取り組みについて所見を問う。

モデル事業として実施した松伏町立金杉小学校の事例が大変参考になりますので、同校の学校と地域が連携した芝生の維持管理の方法などについて、他の市町村教育委員会に情報提供し、来年度の事業の促進に努めます。今後とも環境部と連携を密にしながら進めます。保育園・幼稚園の園庭の芝生化は大変効果がある事業です。平成22年度は彩の国みどりの基金を活用し、更に200か所の芝生化に取り組む。また、今年度の取組の中で、議員御指摘のとおり地域によっては、園庭が狭いために100平方メートル以上という面積要件を緩和する方向で検討します。

「学校問題解決支援チーム」設置の今後の見通しについて

学校側と保護者側にそれぞれ御意見をお聞きする中で、学校だけでは解決が困難な問題について、問題解決の道しるべを示してくれる相談先の設置が必要だと強く感じている。学校側と保護者側双方の相談先となる学校問題解決支援チームを設置し、これを運用していくことについて今後の見通し如何。

県としては、学校、平成22年度、県内四教育事務所に学校問題解決のための支援チームを設置したいと考えております。このチームは、各教育事務所のスクールカウンセラー、非行防止ネットワーク推進員、管理主事、指導主事などにより構成し、市町村教育委員会からの要請を受け、解決方法を助言するなどの支援を行います。その中で、必要に応じて保護者等からの意見を聴取し、解決に当たることも重要と考える。その際、関係機関及び教育局内関係課との連携を図り、対策会議の開催や弁護士への法務相談の実施など、より効果的な支援も考えたい。

女性の力を活用した農業振興について

経済情勢の低迷で、今、農業が雇用の受皿として注目されている。中でも女性が新たに農業分野に参入し、女性ならではのアイデアで地域が活性化している事例も全国に見られます。県内で、女性が農業に従事し活躍している事例はあるのか。また、このような女性が増えていくためどのように支援をしていくのか?

本県の農業就業人口95,121人のうち、50,767人、53パーセントが女性で、正に農家・農業を支えております。中には、農産物の生産だけでなく、加工・販売や農村レストランを手掛けるなどしている女性農業者、女性グループが170あります。本格的に農業を学びたい人には農業大学校を、就職希望者には農業法人を紹介するなど、農業への参入を支援してまいります。また、農村女性アドバイザーはじめ地域の方々が経営アドバイスやグループ活動への参加などについて支援していただけるよう図っていく。

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2月 定例会 予算特別委員会

3月18日

県立障害者歯科診療所の予算確保等について

通常の診療を受けられない在宅の障がい者に対して、全身麻酔や鎮静法等を活用して、安全でストレスを与えない治療を行う機関として、埼玉県歯科医師会が運営する口腔保健センターがある。今後も引き続き障がいをお持ちの方が安心して歯科診療を受けられるようにするために、県施設とともに同センターに対する予算の確保を行い支援すべきではないか?

歯科医師会の口腔保健センターの状況が大変困難であることは認識しております。歯科医の診療報酬が引き上げに伴い、何らかの支援が必要と考える。

感染症に対応した「そうか光生園」の改修について

私の地元のそうか光生園、さらにあさか向陽園は、障がい者施設と併設されている歯科診療所の入り口が一つになっている。そのため、新型インフルエンザなどが流行した場合には感染症の問題があって、もしものときは歯科診療所を閉鎖しなければならない。患者さんの立場から、予算面で思い切った決断が必要ではないか?

工夫改善を加えれば、あるいは安く改修できるかもしれませんので、ちょっと角度を変えて見て、共用のドアをきちんと是正したいと考える。

県立特別支援学校の設置について

県東部地域に県立三郷特別支援学校がありますが、現在、市外から通学する児童生徒数の増加によって、教室等の施設が不足している。東部地域の特別支援学校の不足解消のため、今後どういう計画になっているか。また新たな学校設置の候補地として草加市内を考えているのか?

県としては、障害者教育に資する教室不足の解消効果と、学校設置の地域バランスを考えると、草加市は東部地域における知的障害の教室不足対策の有力な候補地の一つであると考える。引き続き東部地域の教室不足の解消が図られるよう、草加市内への設置も含めて検討を進めていきたい。

がんセンター新病院建設費の妥当性について

「平成22年度埼玉県病院事業会計予算」の中で、がんセンター新病院建設費316億円余が22年度から26年度までの継続費として計上されている。示されているのは、新たな敷地に地上10階、地下1階、ベッド数が500床程度というだけです。これらの情報だけでは、果たして316億円余が妥当な金額かどうかの判断が難しい。具体的に分かりやすく、建設費の妥当性についてご説明下さい。

新病院の建設費228億円については、現在進めている基本設計、さらに最近の同規模、同類の病院の工事費を工事の内容ごとに分類し、これらを積み上げて算出。その結果、新病院の1平方メートル当たりの建設費は415,000円です。

いじめ・不登校対策について

いじめは、いじめるほうが100%悪い。「いじめられるほうにも原因がある」とを言う人を許してはいけません。また、いじめを原因とする不登校を放置してはいけないと考える。そのために、必死の一人が、先生の中に、親に、地域に、議員に、そして県教育委員会の中にいなければいけません。情報の伝達や縦と横の連携、様々な力を注いでこの問題に対応してもらいたいと思うが、どう取り組むのか?

人をいじめてはいけない。悪いことをしてはいけない。いけないものはいけない、という単純なことを、きちっと教えることが大事。いじめ・不登校問題の解決には、ご指摘のとおり、教員が、一人一人の子供をしっかりと見て、迅速に対応すること、早期発見、早期対応が何より必要。研修なども通して、教員の資質や指導力の一層の向上に努めてまいりたい。

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