平成21年
2月 定例会 本会議 

3月2日

雇用対策の強化と充実について

景気・雇用対策こそ県政の最優先課題です。先日、公明党議員団は、雇用対策の強化・充実を求める緊急申入れを行いました。そこで、我が党の申入れを受け、本県として雇用対策の強化と充実にどのように取り組まれるのか?

急激な雇用の悪化に鑑み、県としては埼玉労働局と連携して就職面接会、交流会の開催や、採用内定を取り消された新規学卒者等を対象にした緊急支援セミナーを実施。今年度約三千人を超える求職者にマッチングの場を提供。 
また、ヤングキャリアセンター埼玉では、1月末現在で昨年同期を約2割上回る1997人の方を就職に結び付けました。また、森林組合の作業員の雇用に結び付くチェーンソーの特別教育を実施し、十三人の雇用を実現。また、介護を担う人材の支援強化や、高等技術専門学校の求職者対象の職業訓練など、離転職者などを対象とした職業訓練を大幅に拡充をいたします。さらに国の交付金による雇用基金を新たに創設し、県民の雇用の機会創出に取り組んでいきたい。特に、人手不足が続く介護福祉や保健医療などの県民生活のセーフティネットの充実に取り組みたい。

県の広報戦略としての知事のマスメディア広報について

知事自らが司令塔として埼玉の先進的な取組を全国にアピールするために、本県の広報戦略の重要テーマとして、司令塔としての知事のマスメディアへの広報発信を今後更に積極的に推進すべきと思いますが、知事の所見を問う。

常に県のビジョン、政策などが、県民、企業、団体、様々な組織の皆さんに理解して頂くことは重要。その広報戦略として新規、ユニークあるいは全国初といった政策を、タイミングよく、分かりやすくメディアに発信すること、また、全国レベルの情報誌、機関紙、雑誌、あるいは県内のミニコミ誌などを通じて、できるだけアピールできるようにしたいと思ってます。

施策をPRすべき県職員の意識改革について

施策を積極的にPRしようという職員の意識は、まだまだ高いとは言えない。そこで、職員自らが施策についての意欲を語り、積極的な利用を呼び掛ける広報や、県民の生の声を周知する広報についての取り組みと、職員の意識を変えるための具体策について説明下さい。

広報は、正に経営です。職員の広報マインドを一層高めるため、マスコミ関係の講師を招いての広報研修会を開催するとともに、各部局の広報の要である副部長級職員を対象といたしました研修も行っています。さらに、職員同士が互いに切磋琢磨するための広報コンクールを平成19年度から実施。特に今年度からは、これまで県政情報がなかなか十分に伝わっていなかったミニコミ誌やタウン誌などにも全庁を挙げて積極的にアプローチを行っております。その結果、平成19年度には月平均掲載件数が41件であったところが、20年度には69件と大幅に増加。今後ともこのような取組を通じsまして、職員一人一人が県政や自分の仕事を誇りと情熱を持って伝えていく熱伝道師となるよう、努力を積み重ねてまいります。

地域振興センターの果たす役割について

本年度より、地域の特性を生かしたまちづくりを進めるため、新たな体制で地域振興センターがスタートした。地域調整幹が生まれたことで、今まで以上に地域密着型の県政が進むと感じた。各振興センターのこれまでの取組の状況と課題や成果について報告願います。

地域振興センターにおける地域課題への取組は、地域資源を生かしたまちづくりや環境に優しいまちづくりをテーマにするなど、その内容は地域によって様々です。例えば小鹿野町のオートバイによるまちおこしや、深谷市の住民参加による緑の王国の建国など、地域、住民が一体となった取組についてもセンターが深くかかわっております。地域だけでは解決できない課題に対しては県からの提案も行いながら、県事業を一体的に実施していくなどの支援が必要と考えております。平成21年度には、センターの地道な活動が実を結び、西川口のB級グルメによるまちづくりや、圏央道鶴ヶ島インター周辺の緑を生かしたまちづくりなど、地域と県の一体的な取組も進めてまいります。今後とも、地域振興センターがつなぎ役となることで各地域に即した取組を進めてまいりますとともに、地域の特性を生かした地域づくりを県庁全体で応援してまいります。

地域振興センターにおける防犯対策等について

地域振興センターに新たに防犯を専門に担当する職員を配置し、地域における防犯活動を支援していく体制を整えたことは、地域に根差した防犯活動を進める上で非常に有効である。地域の実情に沿った防犯活動や市町村の範囲を越えた防犯活動も重要。今後、地域振興センターにおいてどのように防犯のまちづくり事業を推進していくのか?

犯罪は、地域ごとに発生状況が異なっています。平成20年の発生状況を見ますと、県全体では減少しておりますが、犯罪によっては増加している地域もあります。今後は、そうした犯罪情勢の収集、分析を徹底して行いまして、地域の実情に応じたきめ細やかな防犯対策を推進していきたいと考えます。地域振興センターを核として、警察署や市町村、防犯団体の方々との連絡会議を通じて、共通の認識に立って、地域の実情に即した防犯講座やキャンペーンやパトロールなどの防犯対策の充実を図ってまいります。さらに、振り込め詐欺など広域的に取り組むべきものについては、統一テーマの下に防犯対策を共同して実施してまいります。

自主防犯活動団体への新たな表彰制度の創設について

地域で地道に防犯活動している住民の皆様方に報いるため、また、自主防犯活動団体のモチベーションを維持していくための一手段として、感謝状の贈呈など新たな表彰制度を創設してはどうか?

功績のあった防犯団体や団員の方々に対しまして、知事表彰や、知事が会長である埼玉県防犯協会連合会が表彰を行ってまいりました。自主防犯団体で活躍している方々のモチベーションを高める上からも、表彰を行うことは極めて有意義。県や警察本部、防犯協会など既存の表彰制度との整合性に配慮しつつ、新たな制度の創設について積極的に対応いたします。

学校問題解決支援チームの設置を含む、教員への支援について

子供に光を当てた教育を推進するためには、現場の教員の力が第一に必要であり、先生方が元気で子供と向き合う時間を増やしていくことが大切。しかし年々、多忙化する実態の中で、疲弊し切っている。教員の多忙化を解消し、支援していくために、県として今後どのように取り組んでいくのか。学校問題解決支援チームの設置も含めて、見解を問う。

平成20年度に、文部科学省の委託を受け、北本市教育委員会と共同で学校問題解決支援チームの調査研究を進めております。具体的には、支援チームの機動的、効果的な組織の在り方の検討や、対応マニュアルの作成に取り組んでいます。今後この事業の成果を報告書にまとめ、県内市町村の参考となるよう情報提供してまいります。また、昨年度作成した事例集も活用しながら、学校問題の対応に苦慮している市町村教育委員会からの相談に個別に応じるなど、市町村と連携して対応していきます。

学校と家庭や地域が一体となった教育の推進について

子供が主役となった教育を推進するためには、子供を取り巻く学校、家庭、地域の三者が一体となった教育を推進することが重要。県が推進している学校応援団は、家庭や地域の教育力を活用することによって、教育活動を充実させるものであり、大変良い取り組みである。学校応援団の組織化や活動の充実、地域差解消に向け、今後どのように取り組んでいくのか?

ご指摘のように、学校応援団の組織率や活動内容は地域によって様々ですが、今後更に拡大、充実を図るためには、ボランティアの確保や活動内容の幅を広げることなどの課題があります。このため、平成21年度も国の学校支援地域本部事業を活用し、学校応援団の募集や活動に必要な経費を財政的に支援することにより、学校応援団の組織化を推進します。また、新たに教育事務所単位で市町村教育委員会との連携会議を開催し、学校応援団の実践発表や情報交換を行い、活動内容の充実に努めていきます。

県教育委員会と市町村教育委員会の連携について

「生きる力と絆の埼玉教育プラン」の中で、本県独自の施策である教育に関する三つの達成目標の推進や学校応援団等の推進を掲げているが、現場の小中学校でどう進んでいるのか、その実態把握や、施策の検証や前進のためにも、県教委と市町村教委のさらなる連携が必要と考えるが、どうか?

教育事務所単位で行う校長研究協議会や教育に関する三つの達成目標推進連絡協議会などでも、学校における取組事例を発表していただくなど、情報交換による指導改善の充実に努めております。加えて、総合教育センターの刊行する月刊誌「埼玉教育」や、彩の国教育の日にちなむ「埼玉・教育ふれあい賞」において、優れた学校や教員の実践を取り上げ、全県に発信をしています。平成21年度からは、埼玉の子ども70万人体験活動や学校応援団について、教育事務所単位で市町村や校長の代表からなる連携会議を立ち上げ、連携方策の検討や実践発表につなげてまいります。

校庭などの芝生化の推進について

環境重視の視点からも、みどりの再生プロジェクトを推進するためにも、地域コミュニティの再興の上からも、芝生化は大変に有効な施策であると考えます。費用対効果の点など、紹介した低コスト事例を参考に、県内で学校を皮切りに幼稚園、保育園、公園、そして河川敷など、芝生化を推進していくべきだと思いますが、知事の所見を問う。

都市の緑を増やす上で、芝生化も有効ではないかという御提案は、そのとおりだと思います。特に幼稚園、保育所、小中学校などの芝生化というのは、大きなメリットがあると思っています。施工費が安い反面、刈り込みを小まめに行う必要があるというような問題もありますが、子供たちが自分たちの芝を大事にするという教育面での効果もあります。管理者側は管理することばかり考えておりますが、それを子供たち側に持っていくというリーダーシップがあれば良いのではないか。どこまで管理者側が取り込んでいくかという課題がありますが、せっかくの御提案ですので、しっかり受け止めて実験をしていきたい。

放課後児童クラブの推進について

放課後児童クラブに対するニーズが年々高まる中、大規模クラブが増加している。利用する児童が安全に過ごせるようにするためにも、大規模クラブの解消は喫緊の課題。草加市を含め児童数の増加で余裕教室自体が減少している中で、大規模クラブの解消のために県としてどのような対策を講ずるのか?

平成20年度における本県の状況は、31市町215か所で実施されており、前年度に比べ11市町76か所増加。放課後子ども教室の活動内容は、勉強やスポーツ、文化活動をはじめ、英会話教室やものづくりなど、地域の実情に応じて工夫された内容となっています。こうした活動には多くの地域の大人が参画しており、住民同士のコミュニケーションや地域のきずなが深まるなど、地域の教育力の向上にもつながっています。

障がいのある児童の放課後児童クラブへの受入れの推進について

障がいのある子供たちも仲間と楽しく放課後を過ごすことは、保護者や子供たちの願いであり、障がいのある子供たちは、様々な子供たちと一緒に生活し活動することで、生き生きと成長していきます。放課後児童クラブへの障がいのある児童の受入れの状況と受入推進のための県の取組について

現在、県内882クラブのうち、383クラブに792人の障がいのある児童が在籍しています。県では、障がいのある児童を受け入れて、障害児担当指導員を配置している児童クラブに対して、運営費補助の加算を行っております。また、障害児担当指導員が障がいのある児童に対する理解を深め、適切に支援できるよう研修を実施しております。県としては、これらの取組により児童クラブへの障がいのある児童の受入れを促進してまいります。

放課後子ども教室の充実について

放課後の子供たちの居場所づくりは、放課後児童クラブと放課後子ども教室の連携をはじめ県内の様々な子育て団体との連携や、地域力を生かし地域一体で推進することが必要と考える。放課後子ども教室は、地域の大人の協力を得て、放課後に多くの大人たちが子供たちとかかわることで、地域のコミュニティづくりにもつながるものとして高く評価する。県では放課後子ども教室を実施して二年目だが、実施状況と今後どの充実策について所見を問う。

今後は、指導者研修に加え、平成21年度からコーディネーター養成講座を実施し、人材の養成を進めてまいります。また、実施場所の確保につきましては、小学校の余裕教室だけでなく、公民館や児童センターなどの具体的な活用事例を紹介するなど、市町村に情報提供を行います。市町村や関係部局と連携を図りながら、放課後子ども教室が子供たちにとって魅力ある居場所となるよう、事業の充実に努めます。

地域コミュニティの再構築について

核家族化が進む本県にとって、教育、地域おこし、子育て、防災、その他多くの諸問題を解決するために、どうすれば地域の力を結集できるのかが問題です。私は「ひとりのおせっかいな埼玉」づくりこそ、地域コミュニティの再興を実現するキーワードじゃないかと考えます。今後、私自身も、おせっかいな一人として、勇気ある行動を開始しようと思います。知事は、埼玉の地域コミュニティの再興に向けてどのようなビジョンをお持っているのか?

自助、共助、公助、この三つの中で特に共助を広げていくべきではないかという問題意識は同じです。希薄になったと言われる家族力、地域力、それでも実はまだ地域には自治会あり、町内会あり、婦人会、老人会、いろんな形で機能をしていると思っております。民間防犯パトロールがこれほど大きく伸びている現状をみると、埼玉の地域力というのはあるんじゃないかと考えましたので、それに準ずるNPOの活動とか、パパ・ママ応援ショップ活動、あるいは子育て応援宣言企業の登録にしても、極めて熱心に御協力いただける。これは、むしろアプローチの仕方も弱かったのではないかと思っております。蒲生議員が提案されます一人一人のおせっかい運動が、結果として地域を良くするということで、県とすれば信用力というのがそれなりにありますので、それをつなぎ機能としていろんな団体を結び付けながら、より地域再生ができるような機能を高めていきたいと考えております。

農業分野への企業の参入拡大について

農業分野への企業の参入は、新たな担い手づくりや企業にとって新たな雇用の場となる。首都圏に位置する本県の優位性を生かし、企業の農業参入を積極的に支援すべきときが来ていると考えるが、企業の農業参入に対する考えや取り組みについて所見を問う。

企業の農業参入は、遊休農地の活用、農商工連携による販路拡大や雇用の創出などが期待できます。このようなことから、本定例会に企業の農業参入をモデル的に実施するための予算を計上させていただいております。この事業は、県が企業と農村のつなぎ役となって関係者の合意を形成しながら、遊休農地を活用して団地化を進め、新たな担い手の育成により地域農業の活性化を図ろうとするものです。本県は、首都圏という大きなマーケットを有するとともに、食料品製造出荷額が全国第三位であるなど、食品関連産業が数多く立地しております。今後こうした優位性を生かして、農業の新たな担い手ともなり得る企業の参入により、本県農業の活力を一層高めてまいります。

保健所の再編について

保健所に求められる役割は、地域保健におけるより広域的、専門的な分野への対応や、健康危機発生時の拠点としての機能強化に移ってきています。感染症対策や、大規模災害発生時の健康危機管理の拠点として、県民の保健所に対する期待は、ますます高まっている。そこで、保健所の再編について、の基本的な考え方、さらに保健所の移転や分室の廃止により、住民に対する保健衛生サービスの低下にならないか、所見を問う。

今回の保健所の再編では、県保健所の数はこれまで同様13保健所といたしました。また、保健師をはじめとする専門職員の確保に努め、これまでと変わらない水準の保健衛生サービスを提供。特に、難病など公費負担医療については、どこの保健所でも申請が行えるようシステムを改善したり、継続申請については郵送でも受付を行います。また、保健所や分室がなくなる市町には、職員が出向いて受付窓口を開くなど、サービス水準の確保に努めます。さらに、各保健所単位で行われてきた関係団体の地域活動についても、これまでどおりの活動ができるよう支援してまいります。

県道越谷八潮線の歩道の改善について

大型車両や商業車両の通過が非常に多い県道越谷八潮線は、草加市内の県道草加流山線から越谷市境の間で、歩道部分が車道に向かって斜めになっている区間があり、特に高齢者や身体に障害のある方には大変に危険。この区間の歩道の改善について、どういう計画なのか?

県道越谷八潮線は、沿道に住宅や商店などが建ち並び、多くの人が歩道を利用しております。県道草加流山線との交差点から越谷市境は歩道が波打ちになっており、歩きづらい状況となっております。このため、まず県道草加流山線との交差点から国道二九八号との交差点までの約1.2キロメートルについて、平成21年度から段差解消のため現地の測量や設計を実施してまいります。

県道足立越谷線の歩道の改善について

県道足立越谷線においても、県道谷塚停車場線から県道川口草加線の区間で、車道部分が平らで歩道部分が斜めになっている部分がある。車椅子の方や手押し車を利用している高齢者の方は転ぶ可能性が非常に高く、多くの歩行者から「危険だ」といった声が上がっている。この歩道の改善について、のどういう計画なのか?

この県道は、草加市内を南北に縦断し、周辺には市役所や谷塚駅などがあり、多くの人が歩道を利用しております。県道谷塚停車場線の交差点から県道川口草加線との交差点までの約520メートルは、車道が高く、歩道の傾斜が急になっております。これまでに地元の合意が得られた西側の約260メートル区間について、歩道の高さを上げて傾斜を改善したところでございます。残りの区間につきましては、引き続き地元との調整を図り、合意が得られた区間から事業を実施してまいります。

国道298号の道路案内標識について

国道298号の道路案内標識について、先輩議員の尽力により、和光市から三郷ジャンクションまでの区間については分かりやすくなったが、三郷ジャンクションの先では案内標識が少なく、千葉方面へ出かけるときに大変不便を感じる。この点について改善できないか?

国道298号の道路案内標識につきましては、基準に基づく大型のものは、道路管理者である国が供用開始に合わせて整備いたしました。また、これだけではまだ分かりにくいところがあるため、和光市から三郷ジャンクションまでの区間につきましては、地元からの要望を踏まえ追加で案内標識を整備したと聞いております。お話しの三郷ジャンクションから先の千葉方面につきましても、地元三郷市からの要望を受けて、国では追加の案内標識の一部を平成17年度に整備いたしました。しかしながら、まだ不十分との声があることから、平成21年度から更に追加整備すると聞いております。県といたしましては、道路を分かりやすく使っていただけるよう、標識の一層の充実を国に働き掛けてまいります。

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